マイト飯第八回は駒忠へ

マイト飯第8回
駒忠、それは私にとって社会人として初心に返ることのできるもののひとつ。

新卒の頃、私はこの付近にある会社で営業として働いていました。駒忠はその会社の先輩やお偉いさん方御用達の居酒屋さんだったのです。私は一回しか行ったことありませんけど、名前を頭に刷り込まれていたので、強く印象に残っています。

マイトに来て10年ぶりに大久保界隈へ戻ってきたのですが、駒忠への特別な思いはなく、マイトに来てからの約一年間一度も駒忠へ足を運ぶことはありませんでした。

それが大きな間違いでした。

これまでマイトのメンバーが見向きもしなかった駒忠。

マイト飯の候補にも一切挙がって来なかった駒忠。

かの本田宗一郎氏は「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」と言いましたが、我々はその「何もしない」ことの恐ろしさを、駒忠によって思い知らされたのです。

  • 旨いんです!
  • 安いんです!
  • 店員のおばちゃんがたまに艶っぽいのです!

なぜこれまで、これほどまでの駒忠の魅力に気づくことができなかったのか。マイトとしてこの一年でもっとも大きな失敗の1つであったと思っています。

旨い

駒忠の肉料理
駒忠の肉料理

駒忠の料理をあなどってはなりません。その辺のチェーン店とは一線を画するものがあります。

多種多様なメニューが用意されており、定番から珍味まであらゆるものが旨いのです。

ところで、
駒忠のメニューには写真がありません。
これではイメージがわきません。

しかしながら駒忠のカウンターには、多くの食べ物がディスプレイされています。
注文すると出てくるものが、写真ではなく実物で見ることができるのです!

世の中にはオムニチャネルという言葉があります。まさに駒忠はオムニチャネル。※1
カウンターに行って見たものを、席についておばちゃんに注文するという、画期的なシステムを築いているのです。これこそが居酒屋業界におけるイノベーションと言えるのでしょう。

サーバーコストも通信技術も不要なこのシステム。料理の減り具合でその日の客の趣向が一目瞭然。もう、他を寄せ付けない唯一無二の強さです。

(※1厳密にはオムニチャネルではなくマルチチャネル。)

安い

安さで1,2を争っていたマイと目線のライバル餃子市は、その姿を変えてしまう。
安さで1,2を争っていたマイト目線でのライバル餃子市は、その姿を変えてしまう。

駒忠は、この界隈でも1、2を争う安さを実現しています。最近、安くて旨い中華料理屋の「餃子市」が、改装のために一ヶ月以上お店を閉めたうえに、改装工事中に店舗名が「食堂107」とか、まるでテンションだだ下がりの耳障りに変わってしまったので、今後はさらに駒忠の独壇場になるやもしれません。

この界隈には、私が10年前にこの地で働いていた頃まで、とある会社の本社がありました。

その本社が移転し、10年経って私が来た時には、街の様相は大きく変わっていました。「今出ました」と言ってまだ出ていない蕎麦屋は寂れ、定食屋は廃業し、スーパーは大手に吸収されました。

居酒屋業界だって同じはず。あれだけ多くのサラリーマンが、そこの本社から訪れていたのに、それが一気になくなってしまったわけですから。

それでも、あの頃と変わらぬ、いや、それ以上の集客力を持続させている。まさに、ぶれない経営、中年サラリーマンに優しい安くてうまいのポジショニング、そして後述する、おばちゃんが艶っぽいというケイパビリティを理解し、試行錯誤しながら地道に実践してこられたのでしょう。

あれだけ食べたのに。あれだけ飲んだのに。大久保界隈のお店でこの値段とは。と、お財布にも優しい。それが駒忠です。

おばちゃんがたまに艶っぽい

居酒屋である駒忠で烏龍茶を注文すると、おばちゃんは必ず、

はい、烏龍茶

…え?

といった受け答えをします。

アルコールの入っていないものを頼むと、必ずおばちゃんにつっこまれるのです。

そんなやり取りの中で、たまにおばちゃんは女になります。

はふぅん、烏龍茶

…え?

素晴らしい。

でも、騙されてはいけません。このおばちゃんは、駒忠システムの中核を担う役割を果たしているのです。

もはや、このおばちゃん抜きでは、駒忠は成立しないと言っても過言ではないでしょう。

かの有名な、靴の通販で名を馳せているザッポスという会社。コールセンターのオペレーターにマニュアルはなく、応対時間の制限すらなく、お客さんを喜ばせることをすれば良いとしているそうです。あのAmazonも、そんなザッポスに惚れ込んで、買収を決めました。

もしも私がジェフ・ベゾスであったなら。きっと駒忠の買収を決めたでしょう。それが駒忠なのです。

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